神奈川の死亡退院の半数超が9病院に集中/死亡退院率一覧に2022年データを追加/県内70病院の平均は6%

滝山病院事件を受けて今年3月、死亡退院率が高い神奈川県内精神科病院一覧(11病院)と関連記事を本連載に掲載しました。今回その表に、2022年6月の最新データ(精神科医療機関を対象に国が毎年実施する実態調査・通称630調査のデータ)を加えて新たな一覧を作成しました。

630調査のデータでは1年間(12か月間)の死亡退院率がわからず、6月1か月間の数値になるので、この月だけ死亡退院数がたまたま多くなった(あるいは少なくなった)ことも考えられます。しかし、3年間の推移を比較すると各病院の傾向がそれなりに見えてきます。今回は、2020年6月と2021年6月の死亡退院率が2年連続10%以上となった11病院のリスト(前回の表)に、2022年6月のデータを加えました。

2022年6月の死亡退院率の全国平均は7.5%(29972人中2246人)、神奈川県内平均は6.1%(1522人中93人)となっています。

11病院の死亡退院率の推移(2020年~2022年)
左から2022年6月、2021年6月、2020年6月の順。カッコ内の数字は左が各年6月の退院者数、右が各年6月の死亡者数。

上記病院の2022年6月の死亡退院数は計48人に上ります。神奈川県内70病院の全死亡退院数(93人)の半数超(51.6%)が、上記9病院(2022年は0人の2病院を除く)に集中しているのです。なぜこんなにいびつな事態が生じているのか、官民による検証が欠かせません。

神奈川県庁