4万4000人超が10年以上も精神病床に/約1万9000人は20年以上/国は「死人に口なし」を狙う/退院支援のクラウドファンディングにご協力を

※当初掲載した数字は2018年時点のものだったので、2022年時点に数字を修正しました。

日本国内では25万8920人が精神病床に入院しています(2022年6月30日時点)。入院期間は1年以上5年未満が8万1251人、5年以上10年未満が3万4646人、10年以上20年未満が2万5479人、20年以上が1万8933人にも上っています。

この中には、精神医療国家賠償請求訴訟原告の伊藤時男さん(入院期間計40年超)のように、地域で普通に暮らせる状態の人が多く含まれています。伊藤さんも2011年3月の福島第一原発事故がなければ退院のチャンスがなく、今も自由のない入院生活を続けていたはずです。

こうした人の道に反する状況を平然と放置し続けた日本という国家は今、30年、40年、50年と入院している超長期入院患者が病院で死に絶えるのを待っています。昭和の時代に民間を駆り立てて進めた隔離収容政策という愚策の責任を、国は取りたくないのです。まさに「死人に口なし」。なかったことにするつもりなのです。

しかし、この国には救いもあります。退院を望む患者たちを熱心に支援する人たちがいるのです。滝山病院の入院患者支援に取り組む弁護士の相原啓介さん、精神保健福祉士の細江昌憲さんらのグループは「一部の問題等のある精神科病院からの退院支援プロジェクト」を開始しました。8月24日まで、クラウドファンディングで退院支援の活動資金を募っています。

相原さんたちは「様々な事情から受け入れ先が見つからない患者さんや、問題のある処置を続ける病院を生み出しているのは、そうした現実を見ようとしない、私たちの社会構造です。しかし、患者さんたちを助けることができるのもまた、社会です。どうか、患者さんが見ている景色、身を置かれた場所に思いを馳せて、共に手を差し伸べていただきますよう、よろしくお願いいたします」などとしています。ご支援、ご協力をお願いします。

クラウドファンディングの詳細はこちらへ。

https://readyfor.jp/projects/taiinshien2023

クラウドファンディング「READYFOR」のWebサイトより