滝山病院の2021年入院者住所地・生活保護受給状況票を掲載/55%が生活保護受給/「全員の退院を」と弁護士/民間の退院支援連絡会が活動開始

東京都八王子市の滝山病院には、様々な自治体から患者が送り込まれていました。所沢市では、元入院患者の50代男性が今月1日、市職員と滝山病院を監禁容疑で刑事告訴しました。市職員は男性の家族と連絡がつく状態にあったにも関わらず、「音信不通」などと虚偽の書類を作って家族同意を得ぬまま、市長同意で男性を強制入院させたとのことです。

2021年6月30日時点の滝山病院の入院状況を見ると、183人の入院患者のうち、実に101人が生活保護受給者です。前回も指摘しましたが、神奈川県からは37人が入院し、うち22人が生活保護受給者となっていました。東京都地域精神医療業務研究会が情報公開請求で入手した630調査の調査票33「入院者の住所地・生活保護受給の有無」を掲載しましたので、各自治体の状況を確認してください。

患者支援を続ける弁護士の相原啓介さんによると、現在の滝山病院の入院患者数は150人を切っているそうですが、神奈川県からの入院患者は今も多くいるはずです。「東京の話だ」などと言って放置することは許されません。相原さんは「このような病院には誰も入院させておけない。すぐに全員が出られるように支援を進めるべきだ」と話しています。今月初めには、医療職や福祉職の有志らを中心とした「滝山病院退院支援連絡会」が結成され、東京都に退院支援の要望書を提出するなど活動を始めています。