対話は「シンフォニーではなくポリフォニーが大事」/斎藤環さんからオープンダイアローグを学ぶ/ポリフォニー的演劇づくりに取り組むOUTBACKが寸劇披露

フィンランド発オープンダイアローグの普及に取り組む精神科医・斎藤環さんを講師にお招きした11月12日の佐藤光展編集長プロデュース「著名な精神科医に学ぶ」第4弾・「オープンダイアローグとひきこもり支援」は、満員の参加者を集めて学びの多い時間となりました。

真の「対話」を実践するオープンダイアローグは、医療現場だけでなく、家庭や会社などでも活用できる手法です。

斎藤さんはこの日の講演で、「対話とは主観性の交換」「議論、説得、説明は『独り言』であり対話の妨げにしかならない」「クライアントの主観、すなわち彼が住んでいる世界をみんなで共有するイメージを大切にする」「『正しさ』や『客観的事実』のことはいったん忘れる」「『そのままでいい』よりも『あなたのことをもっと知りたい』が大事」「シンフォニー(調和)ではなくポリフォニー(多様性)の重視」「『違い』をすり合わせて折衷案を出すのではなく、『違い』を深掘りする」「答えのない不確かな状態に耐える」など、オープンダイアローグの重要なポイントを教えてくれました。

総合討論の前には、OUTBACKアクターズスクールの寸劇チームが、新ネタを加えた「おかしな診察室バージョン2」を披露。精神疾患を持つ人たちの言葉や体験をポリフォニー的に重ねていくOUTBACKの演劇づくりは、オープンダイアローグと似た側面があり、斎藤さんからはオープンダイアローグと演劇との接点などが語られました。この部分の動画を公開しましたのでご覧ください。

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撮影・佐藤光展