データ本「どこに行けばいいの?!」を更に良くするアイデア続々/KP集会「私たちはもっと知りたい!」に70人/精神科は積極的な情報公開を

KPは20日夜、大好評のデータ本「どこに行けばいいの?!」の内容を更に充実させるため、患者や家族、医療・福祉関係者らの意見やアイデアを集める会「私たちはもっと知りたい!」を横浜の上大岡で開催し、70人を超える参加がありました。

この会ではまず、編集作業の中心となったKP電話ボランティアの稲川洋さんが、神奈川県内では医療保護入院(強制入院の一種)の割合が特に高い(入院の68%)ことを指摘。「なぜこんな多いのか、極めて問題。患者は入院の必要性を理解できないというけれど、本人に同意を取る努力をしているのですかと、そこは突っ込んでいい所だと思う」と語りました。

続いて、精神科病院での勤務経験が長いKP事務局の三瓶芙美さん(精神保健福祉士)が、データ本に収録した医療保護入院に関する退院支援委員会の実施回数や、当初の入院診療計画書の推定入院月数からも、病院の姿勢がある程度わかると指摘。「当初の入院告知期間(推定入院月数)がずいぶん長い病院は、患者ひとりひとりに沿った対応をしているのか疑問」「退院支援委員会を頻繁に開くのは大変だし、沢山の書類を書くのも面倒だから、最初から入院月数を長めに書いている病院もある」などと明かしました。

また、各病院の身体拘束数について「車いすやリクライニングチェアなどへの実質的な拘束を、身体拘束ではなく保護固定だとしてカウントしない病院もあれば、しっかりカウントしている病院もある。病院ごとにルールや法解釈に差があるのは本当に怖いこと」と述べました。会場からは、「(三瓶さんの解説のような)データの読み方を次回の冊子ではぜひ入れて欲しい」との要望が相次ぎました。

参加者との意見交換では、入院経験のある男性が「なぜ身体拘束をするのか、病院はもっと明確に示して欲しい。今後のデータ本にもそういう視点を入れて欲しい」と要望。別の参加者からは「病院内での虐待の件数を知りたい」「セカンドオピニオンの受け入れをする病院を知りたい」「Wi-Fiやスマホ使用の可否を知りたい」などの声が上がりました。

他にも「630調査のことは知っていましたが、これだけきちんと調べて整理して示す仕事は素晴らしい」「全病院の写真が入っているのがいい。各病院のホームページの写真と違い、本当の雰囲気が伝わってくる」「とても役立つ情報なので、病院内で回覧しています」などの感想や、「神奈川から東京の病院にかかる人も多いので、東京版も欲しい」などの希望がありました。また「各病院の院長の顔写真を入れたら悪いことができないのではないか」といったユニークなアイデアも寄せられました。

KPでは今後も、患者会や家族会などに三瓶さんや佐藤編集長が出向いてアイデアを集めたいと思っています。ご希望があればメールか電話で事務局にご連絡ください。

(撮影・佐藤光展)