強制注射による鎮静は患者への殺虫剤噴射のようなもの/精神科の「強制」に悲鳴続々
編集長の佐藤です。精神科では患者の意思などお構いなしに、入院も身体拘束も隔離も服薬も注射も、ありとあらゆることを患者に「強制」できます。それは「患者のため」と称して行われるのですが、患者のためになっていないことがよくあります。だからKPの相談電話には、「無理やり薬を飲まされた」「任意入院なのに退院させてくれない」「縛られた時の恐怖が今も蘇る」といった悲鳴が頻繁に寄せられるのです。
それらは、ともすれば患者の被害妄想のように聞こえるので、行政の相談窓口などは真剣に取り合おうとしません。ですが背景を探ってみると、おかしいのは患者ではなく精神科の方だ、ということが珍しくありません。
KPの藤井哲也会長は、強制入院を含め、9回の精神科病院入院歴があります。幸いなことに身体拘束の経験はありませんが、病院に「拉致」される時にロープで縛られたり、6、7人の看護人に抑え込まれて鎮静の注射(イソミタール)を打たれたりしたそうです。
「イソミタールの強制注射は、私からすると殺虫剤で虫をイチコロにするのと同じだね。あれが精神病院のホスピタリティなんだよ。よくもまあ、あんな処遇を受けながらここまで生きてこられたものだと思います。これぞ奇跡の生還だと感じています」
これは大げさではなく、ちょっとした奇跡なのだと私も思います。精神科病院から何十年も出られなかったり、死亡退院したりする人は山ほどいるのですから。
こうした「奇跡の人」たちがKPの患者サポート業務を支え、退院支援などで大きな成果をあげています。
