コロナ禍でも2021年度の全イベント大成功/来年度も役立つ企画をたくさん予定

Web編集長&イベント統括の佐藤です。2021年度も新型コロナ騒動が相変わらず続きましたが、KPは年間計画で予定したイベントを、感染予防対策を徹底しながら全て開催し、大成功を収めることができました。

日本財団の助成事業として開催したのは、桜木町での1周年記念イベント「TALK BACK  私たちはもう黙っていない」(8月)と、講演会「著名な医師に学ぶ」(計3回)。いずれも大好評でした。また、私が副校長を務める関連組織「OUTBACKアクターズスクール」の第1回主催公演(11月)は超満員札止めの大盛況で、各界からの期待の大きさを肌で感じました。

他にも、「映画『不安の正体』&『OUTBACK公演動画』ダブル上映会」(12月)や、KPの秘密兵器ピンクわかめちゃんらが講演したセミナー「ピアは『共感力』がないとダメですか」(5月)、家族SSTの伝道師・高森信子さんの講演会(6月)などが大好評。KPの呼びかけで、衆議院第一議員会館で開催した「神出病院虐待事件院内集会」(5月)には多くの国会議員が集まり、障害者虐待防止法改正などの機運を高めました。

「著名な医師に学ぶ」では、認知行動療法の権威・大野裕さん、依存症治療の第一人者・松本俊彦さん、自殺予防研究の先駆者・張賢徳さんという、日本の精神医療界を代表する医師たちに講師を務めていただき、極めて有益なお話をうかがうことができました。

2月6日に行った張さんの講演会では、患者の家族や支援職の姿も目立ちました。終了後のアンケートの一部を紹介します。

「大変参考になりました。コロナ禍での自殺増加の原因など、ぼんやり想像していたものが、数値の表示を含めてよく分かり、心の中の整理になりました。心のSОSの数値化が必要ということも、実際にやってみようと思いました」

「統合失調症の娘に希死念慮があり、よく『死にたい。死にたい』と言うので、何か学べればと思ってきました。心配ではありますが『死にたい』と口に出すことで楽になることもあると知り、今後の関わり方の参考になりました」

「『死にたい』と言われたらどうしたらいいのか、対応について具体的に聞けたのはよかった!」

「自殺に関わらず、人間としての大切なことを学ぶことができた。私が考えている事と一致して、今後、何か人の思いを聴く事をやりたいと思いました」

「自殺の危険性の因子として、食欲と睡眠があることやTALKの原則について、私自身が精神障害の当事者への支援に関わっていることもあり、印象に残ると同時に意識する必要を感じました」

「傾聴やTALKの原則は他の講演会でも聞いたことがありましたが、『自殺の危険性の評価』について具体的なお話を聞くことができとても勉強になりました。職場に持ち帰って実践したいと思います」

今年度のイベント&講演会にご来場いただいた皆様、ありがとうございました。松本俊彦さんの講演会では山梨からの参加もあるなど、県外の来場者が増えています。オンライン講演会が全盛の昨今ですが、KPでは対面の講演会を重視していきます。

精神医療にはダークな部分も多いのですが、改善を目指して奮闘する医療者たちの声を直接聞いて学び、協力し合いながら前に進むことが大事です。来年度も、著名な講師によるタイムリーで役立つ企画をたくさん予定しています。

2021年度の全イベントが大成功