「自殺を防がなければいけないワケ」を考えた張賢徳さん講演会/会場が閉まる直前まで活発に意見交換
佐藤編集長プロデュースKP講演会「著名な医師に学ぶ」の第3弾「コロナ禍の今 自殺をどうしたら防げるのか」(日本財団助成事業)を、2月6日、横浜・上大岡のウィリング横浜で開催しました。日本自殺予防学会理事長の張賢徳さん(六番町メンタルクリニック院長)を講師にお招きして、会場の使用時間ギリギリまで活発な意見交換を行いました。
張さんは、日本のこれまでの自殺の状況(働き盛りの男性の自殺が多い)や、コロナ禍での傾向の変化(女性や若者の自殺が増加)などにふれた上で、「そもそも、自殺はなぜ防がなければいけないのか」という自殺予防の根本的な理由を説明してくれました。
日本では「自殺は結局、自分で選んだこと」と受け止められ、自己責任にされがちです。しかし、実は自殺する人のほとんどに精神疾患があるとみられ、特にうつ病や双極性障害などの影響で自殺が引き起こされやすいことが知られています。自分の意志で理性的に自殺を選んでいるのではなく、多くは病気によって自殺が誘発されているのです。だからこそ、「精神疾患を改善すれば防げる自殺で亡くなってしまうのはもったいない」と張さんは訴えます。
さらに、身内や知人から「死にたい」と言われた時の対処法なども張さんから学ぶことができ、KPの電話相談活動にとっても収穫の多い1日になりました。張さんのお話は後日、佐藤編集長の「精神医療ルネッサンス」で取り上げます。
