脅かされるトリエステの精神医療/アレン・フランセスさんから署名協力依頼/精神科病院を廃止した地域ケアシステムを守ろう

世界的に使われている米国精神医学会発行「精神疾患の診断・統計マニュアル」の第4版(DSM-IV)作成委員長を務めた精神科医アレン・フランセスさんから、愛弟子の大野裕さんを通じて、「日本の皆さまにも協力して欲しい」と、KPに署名運動への協力依頼がありました。ご賛同いただける方は、署名をお願いします。

https://t.co/0skVCBWgxJ

この署名運動は、米国ロサンゼルスで活動するHeart Forwardが、change.orgサイトで開始しました。イタリア国内では、精神科病院を廃止したトリエステの地域ケアシステムを解体しようとする動きが強まっており、これに反対を表明するための署名です。

Heart Forwardは、ロサンゼルスで長期入院の方など重い精神疾患を持つ人たちが地域で生活できるように、トリエステモデルを導入して米国の精神医療を変革しようと活動しているグループ(https://www.heartforwardla.org/)です。

大野さんによると「米国は、精神疾患のために長期入院していた人たちの退院促進を進めましたが、受け皿をきちんと準備していなかったために、路上生活者や、生活困窮の果てに犯罪に走って刑務所に入る人たちが増えました。現在、大都市のロサンゼルスでそうした問題の解決を目指し、活動しているのがHeart Forward LAです。アレン・フランセスも支援をしていると聞いています」とのことです。

以下、Change.orgの説明文の和訳です。

(翻訳 KP事務局・濱田唯)

トリエステは、素晴らしいメンタルヘルス実践を行っているとWHOからも認められ、世界的な注目を集めてきた地域です。精神医療ユーザーひとりひとりのニーズに焦点を当て、彼らの市民としての尊厳を維持し、病院での強制的な治療などを減らすためのコミュニティネットワークづくりを目指す世界中の多くのプログラムが、トリエステの影響を受けています。

アメリカの悲しい状況を見ればわかるように、ネグレクト(彼らを無視すること)は病気を重くするばかりです。トリエステでは、地域に戻ることで生活は良くなることが示されてきました。

しかし、この素晴らしい成果は、新たに登場した右翼の地方政府によって脅かされています。彼らは十分な情報を持たず、イデオロギー的な理由で、トリエステの地域ケアシステムを一気にかつ衝動的に、解体しようとしています。私たちは、臨床家、患者、家族と連携して、世界で最も弱い立場にある人々の希望の光となってきたトリエステを守るべく、立ち上がっています。

トリエステの友人として、署名をお願いします。そして、この活動を広めて下さい。最新情報は、こちらをご覧下さい。www.accoglienza.us