電車ストップにも負けず会場は満員に/大野裕さんの「こころが晴れる勉強会」/新刊本も完売の大人気
認知行動療法の第一人者・大野裕さんを講師に招いた「コロナ禍の今だからこそ こころが晴れる勉強会」を、7月3日、横浜市港南区のウィリング横浜で開催しました。午前の大雨の影響で最寄り駅の京浜急行が止まるなど、開催が危ぶまれるほどでしたが、開始時刻にはほぼ満員となりました。
参加者たちは図らずも「様々な情報を集めて最善の道を探り、行動に移す」という認知行動療法のエッセンスを駆使して、バスや地下鉄、徒歩などで会場にたどり着きました。横浜市内の作業所に通う若い男性は、住宅街の高台を徒歩で越えて、汗まみれで会場に駆けつけてくれました。開始時刻には間に合わず、途中からの参加となりましたが、終了後には大野さんと話もできて、実りある1日になったと思います。
講演の前半では、コロナ禍のストレス対策としても重要性を増す認知行動療法の基礎を学びました。不安、怒り、うつという3大ネガティブ感情がどのように生まれるのかということや、こうした感情をよい方向に変えていくコツなどを教えていただきました。
後半は、ロールプレイなどで理解を深めていきました。また、「支援者の考えを押し付けない」ことが大事であることを学びました。このあたりは、先日の高森信子さんのお話との共通点を感じました。
休み時間に会場に並べた大野さんの3種類の新刊本、「マンガでわかる認知行動療法」(池田書店)、「アイスクリームが教えてくれる 『こころ』を健康にする本Ⅲ」(日経サイエンス社)、「『心の力』の鍛え方 精神科医が武道から学んだ人生のコツ」(岩崎学術出版社)は、用意した計30冊が完売。大野さんの認知行動療法については、このWebサイトの「佐藤編集長の『精神医療ルネッサンス』」で計4回の特集をしていますので、参考にしてください。
精神療法や心理療法で大事なのは、中身だけではありません。これを行う医師や心理士の話し方、声のトーン、身のこなし、そして人柄そのものが効果に大きく影響します。今回の講演の参加者からは「大野先生はとてもよい雰囲気でお話をされていて、さすがだなと思いました。認知行動療法はこういう先生に受けたい」との声が上がっていました。
KPでは今後も、各分野の第一人者を招いた勉強会を開催していきます。お得な会員割引もありますのでご利用ください。
