患者たちは今も虐待職員に囲まれている/一刻も早い救出を!
みなさん、こんにピア!!
国会議事堂のすぐ横にある衆議院第一議員会館で、5月11日、「神出病院虐待事件院内集会」が開かれました。コロナ禍によって、このおぞましい事件が忘れ去られてしまう恐れを感じたKPちゃんたちが、全国の人権擁護団体に呼び掛けて、共催の形で実現することになったのです。
登壇者は、杏林大学教授の長谷川利夫さん、全国「精神病」者集団の桐原尚之さん、兵庫県精神医療人権センターの吉田明彦さん、神戸市議会議員の高橋ひでのりさん、日本女子大学教授の小山聡子さん、大阪精神医療人権センターの山本深雪さん、日本精神科看護協会の窪田澄夫さん、という豪華メンバー。参加者は会場が80人、YouTubeでのオンライン視聴が120人超にも膨れ上がりました。国会議員は6人、秘書は12人が参加してくれました。
この日、会場にいたKPちゃんは、長谷川さんや桐原さん、吉田さんの話に合わせて、会場の人たちが「うん、うん」と大きくうなずく様子を見て、ただならぬ熱気を感じました。
長谷川さん、桐原さん、吉田さんの話に共通していたのが、「精神保健福祉法の範囲内では虐待や暴行が発見されず、入院患者の人権が守られない」という指摘と、「新たな権利擁護制度の必要性」でした。また、障害者虐待防止法で通報義務の対象外とされている医療機関にも、義務を課す必要があることを多くの登壇者が訴えました。
兵庫県精神医療人権センターで、患者支援に取り組んできた吉田さんは、神出病院事件をニュースで知った時、後悔の気持ちを強く感じたといいます。32年前にできた兵庫県精神医療人権センターは、精神科病院への訪問活動をずっと続けてきました。しかし、実際に訪問して患者支援を行えたのは、同県内にある精神科病院の半数にとどまるそうです。多くの精神科病院が、訪問活動を拒んできたためです。
「神出病院は、私たちの訪問活動を32年拒み続けた病院のひとつです。アポなしでも飛び込んで行けばよかった。家族とコンタクトをとり、状況を聞けばよかった。そうすれば、ここまでひどい事件は防げたかもしれない」
事件を知った吉田さんたちは、すぐに動きました。前院長の精神保健指定医資格の取り消しを求めるなど、行政への働きかけに加え、病院近くのバス停などで家族と話す機会を持ち、院内の様子の聞き取りを進めています。吉田さんは「神出病院では患者虐待が日常化していました。逮捕された6人は、先輩看護師たちの慢性化した暴力を真似しただけともいえます。虐待に関与した職員はほかにもいて、今も働いています。なぜ、患者たちをそんな場所にとどめておかなければいけないのか。すぐにでも救出したい」と訴えました。
吉田さんたちの話を聞きながら、KPちゃんは「神出病院に入院している人たちにも、この集会のことを伝えたい」と強く思いました。彼らのために戦っている人は、決して少なくないのです。一刻も早く、あの病院から出られるようにしないといけない。そして、この問題をもっと多くの人たちに伝えていこう。そう決意したKPちゃんなのでした。
それではまた、ケイピー!!
