「とにかくやってみる」精神をリアルに描く/ゆうじさんと子どもたちの演劇公演が大成功

OUTBACKアクターズスクール校長の中村マミコ氏が講師を勤めた世田谷パブリックシアター主催の演劇公演「下馬のゆうじさんをめぐる冒険」が、3月21日、三軒茶屋のシアタートラムで行われ、満員(コロナ対策済)の大成功を収めました。

今年1月の記事でお知らせした通り、この劇は東京都世田谷区内の小学生たちが、電動車椅子ユーザーのゆうじさん(実方裕二さん)から話を聞いて、それをもとに演劇を作り上げました。

ゆうじさんはなぜ脳性麻痺になったのか。

なぜ給食を「犬食い」しなければならなかったのか。

反抗期や兄との大喧嘩。

1人暮らし。

恋人との同居と別れ。

ケーキ屋を営むきっかけ。

路上販売での葛藤。

そして今。

重度身体障害者のゆうじさんが「自立」を目指し、持ち前のユーモアと「とにかくやってみる」精神で生きてきた姿を、子どもたちがリアルに、のびのびと表現しました。

出演を終えた女の子たちが、こんなことを語っていました。

「ゆうじさんと出会う前は、障害があって大変そう、かわいそうと思っていた。でも出会ってみたら、すごく前向きで驚いた」

「重い障害のある人は近づきにくくて、どういう人なのかわからなくて、怖い人だと思っていた。ゆうじさんに会って、そういう思いが間違いだとわかった」

ゆうじさんにいろんな質問をして、面白い話も悲しい話もたくさん聞いて、共に考えた貴重な時間。子どもたちはワークショップを通じて、「私たちとは違う障害者」としてのゆうじさんではなく、「ふつうの人間」としてのゆうじさんに出会えたのだと思います。

ゆうじさんを講師に招いたKP講演会を、4月21日、横浜市内で開催します。自称「脳性麻痺の人権活動家」で、KPメンバーでもあるケンさんとの対談なども予定しています。20代のKENさんが、大先輩のゆうじさんに果敢に挑みます。熱いトークが繰り広げられることでしょう。ゆうじさんの特製ケーキ販売も予定しています。詳細は、このコーナーで改めてお知らせします。

電動車椅子ユーザーのゆうじさん
演劇公演の会場となったシアタートラム