兵庫の精神科病院で大規模クラスター発生/入院患者同士の交流は「悪」なのか

兵庫県加古川市にある精神科病院、医療法人達磨会・東加古川病院(森隆志院長、425床)で、新型コロナの大規模クラスターが発生しました。12月26日の時点で、計109人(職員15人、入院患者94人)の感染が確認されています。クラスター発生について、「レクリエーションなど入院患者同士の交流が一般病院よりも多いのが要因ではないか」とする兵庫県の担当者の発言などが報じられています。

コロナ禍が生じて以来、精神科病院は患者への管理、制限をますます強める傾向にあります。KPのメンバーも、精神科病院で面会を拒まれたり、できたとしても時間を著しく制限されたりと、様々な制約を受けるようになりました。

オンライン面会を実施している精神科病院は、まだ少ないようです。「患者の外出許可がおりにくくなった」「作業療法プログラムの制限が増えた」などの声も耳にします。患者が人と交流を持つ機会が極端に制限されるようになっています。

そして、こうした自由の制限が、入院患者の病状に悪影響を与えています。「病棟内でイライラを募らせ、暴言を吐く人が増えている」「うつの症状が強くなっている」「病棟から逃げ出そうとする人が多くなった」などの情報がKPメンバーに次々と寄せられています。ただでさえ管理的で窮屈な入院生活であるところに、新型コロナ対策による管理強化や、人との交流の断絶によって、入院患者の心に多大なストレスが生じているのです。

「レクリエーションなど入院患者同士の交流」は、患者にとって何よりの薬であり、治療であるはずです。KPメンバーの多くは、入院中も患者同士の心の交流があったからこそ回復したと語っています。

新型コロナの感染予防対策は必要なことです。しかし、「入院患者同士の交流」までも悪とみなすような風潮は、患者のみならず、適切なメンタルケアを行おうとする病院関係者までも追い込んでいきます。

クラスターが発生した東加古川病院のホームページ

FNNプライムオンライン

95人の大規模クラスターが発生した病院 さらに50人以上を検査へ 兵庫・加古川市

https://www.fnn.jp/articles/-/124542

神戸新聞

患者ら新たに14人感染 クラスター発生の東加古川病院

https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/202012/0013966991.shtml