さいたま市が忖度のり弁を提供!/海苔まみれにされた病院も理由わからず困惑広がる

みなさん、こんにピア!!
このコーナーは今回から、「KPちゃんの部屋」改め「KPめんちゃれ探偵団」となりました。社会に溢れる様々な疑問に、メンタル不調をものともしないチャレンジャー(めんちゃれ)KPちゃんが果敢に挑みます!
さてみなさん、「のり弁当」ってご存じですか。弁当屋さんで一番安いやつ、ではなくて、公開すべき行政文書などがべったり黒塗りされている「のり弁当」のことです。以前は、マスコミでよく報道されていましたよね。
破廉恥なのり弁当を市民に食わせようとする愚かな行政機関は、このところ減ったように思います。ところが今年、KPちゃんは見てしまったのです。全面のり、のり、のり、のりの、ノリノリ弁当を。
舞台は、人口132万人の政令市さいたま。市民グループ(埼玉県精神医療人権センター)のメンバーが開示を求め、さいたま市が2020年9月に公開した精神科病院関連の調査票(2019年度精神保健福祉資料・通称630調査)が、見事なのり弁当だったのです。
疾患ごとの患者数や強制入院数、身体拘束数など、各精神科病院の診療の傾向がわかる630調査を巡っては、ここ数年、各病院が提出する調査票の開示に厚生労働省が消極的になるなどゴタゴタがありました。背景には、精神科病院の関連団体からの圧力があったとみられますが、詳しく書くと切りがないのでここでは省きます。
いろいろあったものの、市民グループの抗議によって、東京都や大阪府などは、2019年度の調査票を従来通り全開示しました。そんな中、さいたま市だけがのり弁当を出してきたので、「なぜ」と衝撃が走ったのです。埼玉県も、一部データ以外は開示したので、さいたま市が開示を拒む理由がわかりません。
埼玉県精神医療人権センターは、さいたま市内の精神科病院の調査票も、埼玉県からほぼ入手できていました。ただ、大宮厚生病院(将田耕作院長)の調査票だけは県が持っていなかったため、この病院の分をさいたま市から入手しました。すると、のり弁当だったのです。
さいたま市は、のり弁当を提供した理由について、「病院の事業運営上の正当な利益を害するおそれがあるため」などと説明しています。精神科病院に限らず、各病院の診療実績の公開は、患者の命や健康を守るためにも欠かせません。国も、診療実績の公開を推進してきました。さいたま市は、時代の流れに逆らって何を守ろうとしているのでしょうか。
大宮厚生病院にとって、これは著しいイメージダウンにつながりかねません。埼玉県精神医療人権センターが県内各病院の診療実績を公開すれば、大宮厚生病院だけがデータを隠したように見えるのですから、「何かやましいことがあるのでは」と思われる恐れがあります。そうなれば、さいたま市の意味不明な忖度は大宮厚生病院の正当な利益を害することになります。
そこで、KPちゃんは大宮厚生病院に直接聞いてみました。事務長が対応してくれました。
KPちゃん:開示された調査票が真っ黒に塗りつぶされていますが、どうしてこんな形になってしまったのでしょうか?
事務長:私の方では塗りつぶすようには言ってないですよ。わからないです。行政に聞いてください。
KPちゃん:なぜこのようになったのか、ご存知ではないと。
事務長:(さいたま市から)開示請求があったという問い合わせはありました。患者さん個人を特定できるような情報については、うちの方ではオープンにされては困りますよ、ということでお答えしています。でも、(全面塗りつぶしについては)現物を見ていないし、私の方ではわからないとしか答えようがありません。
KPちゃん:調査票はきちんと記入し、提出されたのですよね。
事務長:はい。
KPちゃん:その後、開示請求を受けて、さいたま市がどういう風に処理したかについては、ご存知なかったということですね。
事務長:はい。
630調査関連で開示される調査票には、個人を特定できる情報は含まれていません。さいたま市は、何に忖度したのでしょうか。埼玉県精神医療人権センターは2020年11月、全面開示を求めてさいたま市に審査請求書を提出しました。さて、どうなりますやら。続きは来年報告します。
それではまた、ケイピー!!
