精神科医・高木俊介さんの京都の店で極上ビール片手に多くを学ぶ

日本でACT(包括型地域生活支援プログラム)と言えば、精神科医の高木俊介さん。患者を在宅で支える実践的な取り組みや、メディアでのご活躍で広く知られていますが、それだけではありません。

精神疾患を持つ人たちと共に京都「一乗寺ブリュワリー」でクラフトビールを醸造し、四条河原町に近い繁華街で「ビアパブICHI-YA」を営んでもいます。このビールが「美味い」と聞き、ACTの勉強や連携の相談を兼ねて、KPメンバー5人が11月初めにICHI-YAを訪れました。

ビールについて結論から申し上げますと、「これは美味い!」。作り手のこだわりや豊かな感性があふれています。窮屈な現代社会を器用に生きられず、「精神障害者」と呼ばれてしまった人たちが、それぞれの特性を生かした時に発揮する力の大きさを感じました。

ICHI-YAのビールは種類が豊富で選ぶのに苦労するほどですが、少量を3種類飲めるセットもあり、親切で気が利いています。さすが精神科医の店。KPメンバーには、準定番メニューのデストロイ・エンジェルと珈琲スタウトが特に人気でした。

美味しいビールを作り、飲んだ人を幸せな気持ちにする。その幸せは作り手の幸せとして戻って来る。そんな幸せの循環が重畳する社会こそが、真に幸福な社会なのだと高木さんは言います。

「相手の喜びが自分の喜び」。KPも幸せの循環社会を目指して頑張ります。

あっ、念のため付け加えておきますが、飲んだくれていただけではありませんよ。ACTの現状や問題点、ACTの手法をKP活動に生かす方法、などについても話は及びました。今後も高木さんのチームから多くを学ばせていただきたいと思っています。

最後に高木さんの言葉をひとつ。 「近寄ってみたら、みんな『おかしい』」

極上ビールの数々と高木俊介さん(右端)