「テレカは大事なのよ!」の巻

2020.9.23 寄稿

みなさん、こんにピア!

突然ですが、「テレホンカード」ってご存知ですか?

童顔なのに意外と長く生きている私、KPちゃんは、すごくお世話になりました。でも最近は「テレカ」と言っても通じず、怪訝な顔をする若者が多くてビックリ!そうね、街中から公衆電話が消えて、みんなスマホですものね。

昭和や平成の初めくらいまでは、テレカはお財布の中に必ず入っていたわ。でも今は、どこに売っているのかもわかりゃしない。KPちゃんは最近、テレカが急に必要になってコンビニを駆けずり回り、4軒目でやっと入手したのです。

あー、しんどかった。体だけじゃなく、心も。だって、21世紀生まれの店員さんに「テレホンカードください」って言ったら、クオカードが出てきましたからね。無性に恥ずかしくなったわ。

「そうまでして、何のためにテレカを?」。よくぞ聞いてくれました。北関東の精神科病院に長期入院させられている患者さんのためですよ。

ことの始まりは、KP電話にかかってきたA子さんからのご相談です。A子さんは今春、精神科病院に短期入院した時、同世代の女性とお友達になりました。その女性は、精神疾患を患っているようには見えないのに、家族が退院を望まず、もう1年以上も強制入院(医療保護入院)させられていました。A子さんが退院する時、2人は約束しました。「これからも連絡を取り合おうね」と。

でも女性は携帯電話を使えません。入院時に病院スタッフに取り上げられてしまったのです。病院内にある医療機器の誤作動防止のためではなく、「(女性にとって)治療上よくない」という、なんともあいまいな理由で。親しい人とのつながりを保つことは、心の安定に欠かせないはずなのに。

令和の時代に、こんなこと信じられますか?24時間、メールも送れないし、ネットニュースも見られないのですよ。いや~あり得ない、本当にあり得ない。ナンセンス!携帯電話を持つと、とんでもないことを仕出かしてしまうのならまだしも、明確な理由もなく「医師の判断」で携帯電話を取り上げられている患者さんが、精神科病院にはたくさんいるのです。

そのような訳で、この女性が使える電話は、入院病棟内の公衆電話だけ。そこでA子さんは、退院後すぐにテレカを購入し、封筒に入れて女性に送ってあげました。「連絡を取り合おうね」という約束を果たすために。ところが、またもや信じられないことが。テレカが封筒から抜き取られ、女性のもとには届かなかったのです。テレカはA子さんの家に戻ってきました。

誰が封筒を開けてテレカを抜いたのかって?もちろん病院スタッフですよ。またしても「治療上良くない」という理由で。キーーーッ!

こんなこと、信じられますか?私だったら、間違いなく暴れてやるわよ。あっ、でも精神科病院で暴れたら、屈強な男性看護師たちにねじ伏せられて、全身を縛られちゃうわね。それで導尿されたり、オムツをはかされたり、注射を打たれたり、冗談じゃないわ!

精神科病院に入院している人は、こういう恐怖の中にあるの。だから、病院の中でおかしなことが起きても我慢、我慢。スタッフに嫌がらせをされても逆らえない。で、その挙句、スタッフによる患者虐待事件に発展することもあるのです。しかし、表面化するのはほんの一部。こうやって精神科病院の闇は生み出されていきます。

ムカついて話が逸れてしまったけど、とにかく私、KPちゃんはA子さんの話を聞いて、いてもたってもいられずコンビニに走ったの。そして、地元の弁護士さんに協力を求めて、女性にテレカを届けることに成功。女性は公衆電話を使い、弁護士さんや私、KPちゃんにいろんな相談ができるようになりました。現在、KPちゃんは女性が1日も早く退院できるように継続支援中です。

たかがテレカ、されどテレカ。携帯電話を取り上げられた精神科病院の患者さんたちにとって、絶滅危惧種のテレカがどれほど大切なものか、少しはわかっていただけたかしら?

通信を過度に制限された患者さんからのSOSがあれば、KPちゃんはまた、テレカを求めて横浜の街を駆け回るわよ!「昭和の女」は負けないわ!

それではまた、ケイピー!!