設立から1か月で6件の深刻な相談に対応しました

 今年5月16日にKPを設立してから、1か月が経ちました。新型コロナウイルスの影響で、精神科のある県内各病院にKP連絡先の院内掲示を依頼して回る活動ができず、本来の相談業務はまだ行えていません。ですが、このホームページや新聞記事で我々の活動を知った人たちから、既に6件の相談が寄せられ、ピアスタッフらメンバーが対応にあたっています。

 この中には県外からの相談もあります。「家族に騙されて強制入院させられ、長く退院できない女性が県立病院にいる。信頼できる弁護士に相談したいと言っている。助けてあげて欲しい」。今年5月まで同じ県立病院にいた元入院患者からの依頼でした。

 このような場合、女性の訴えは精神疾患による被害妄想の可能性があります。行政などの相談電話に助けを求めても、病気の症状と解釈されて取り合ってもらえず、「医師の指示に従ってください」などと突き放されるケースがほとんどです。この女性もそのようでした。しかし我々は、女性をよく知る関係者から詳しい聞き取りを続けた結果、女性が本当に被害を受けた可能性があると判断しました。

 ところが女性は現在、通信を制限され、病院内の公衆電話の使用も禁じられていました。知人が郵送したテレフォンカードは取り上げられ、未使用のまま返却されました。

 KPの協力弁護士が病院に電話をかけて、女性と話したいと伝えても、対応した精神保健福祉士は「(女性からの)依頼がないと話せません。会うこともできません」と取り次ぎを拒み、主治医に替わることもなく電話を切ってしまいました。依頼の意志を確認するために電話をかけているのに、「まだ依頼済みではないから」と接触を拒まれ続けたら、孤立に追い込まれた患者を救えません。

 そこで我々は、元入院患者に女性宛の手紙を書いてもらい、協力弁護士に依頼する意志があるかどうかの意思表示を求めることにしました。電話はできなくても、手紙のやり取りはできるとみられたからです。

 1週間後、女性から「依頼したい」という返信が届き、協力弁護士の紹介で地元弁護士にも支援を求めました。弁護士たちはやっと、女性と電話で話せるようになり、問題解決に向けた第一歩が踏み出されました。

 東京の多摩地域の民間精神科病院に入院中の男性患者からは「診断や入院に納得できない。退院したい」という電話相談がありました。我々は事実関係を確かめるため、病院に連絡して男性との面会を求めましたが、「コロナ対策」を理由に拒まれました。しかし弁護士の面会は可能とのことだったので、協力弁護士に依頼し、状況把握を進めています。この他、DV夫に入院を強制されたという女性の相談や、精神科医の診療拒否に悩む女性の相談、新型コロナ対策で実施されたオンライン診療の継続を望む男性の相談などに対応しています。

 精神科病院では以前から、家族の面会すらも拒む問題が多発していました。コロナ禍によって、精神科病院の閉鎖性はますます高まっています。新型コロナの流行が収まっても、「感染症予防」を振りかざして面会を著しく制限する精神科病院が現れるかもしれません。KPはこのような問題に対しても警鐘を鳴らし、悪質な場合は具体例を報告します。